「初老ジャパン」約1世紀ぶりの快挙!馬術代表コーチが日刊ゲンダイだけに明かした「勝因」とは… 団体で初メダル
「代表の根岸監督が『初老ジャパンだな』と言って名前が決まりました(笑)。馬術は経験が重視される競技。40歳前後が一番、脂が乗った年齢と言われます。他国にも稀に若い選手がいますが、主力は大体30歳以上です」
日本勢がメダルを獲得するまで、1世紀近くを要したわけだが、今回の勝因は何か。
「馬術競技は欧州に伝統があり、大会の多くが欧州に集中しています。日本を拠点にしていると、人も馬も遠征が必要となり、多くの費用がかかってしまう。そこがネックでした。今回、総合馬術に出場した4人は、いずれも英国に10年近く住み、鍛錬に努めてきました。技術的な面でも、馬術は欧州が一番ですからね」(土屋コーチ)
もともと馬術団体は、21年東京大会のメダル獲得を目標にしていたが、コロナ禍による1年延期やルール変更などもあり、苦戦を強いられた。
そんな中、戸本は東京大会の個人総合馬術で日本人の最高記録で4位入賞を果たすなど、馬術の火を絶やすことはなかった。
「パリに向けては、とにかく技術の研鑽に励み、英国で合宿も行いました。五輪前には、パリ五輪にはジャッジとして参加しないものの、欧州の大会でジャッジ経験がある審判を招き、彼らの前で馬術を披露。『ここはこうした方がいい』などと本番で役立つ様々なアドバイスを貰い、パリに入りました」(土屋コーチ)
初日、2日目を終えた時点で日本は3位だったが、最終日の障害馬術を前に、北島の馬が馬体検査をクリアできず、20点減点。一度は順位を5位に落としながらも銅メダルを手繰り寄せた。
人馬一体の地道な強化策が、花の都で結実した。