勝負弱い日本を「虎」に変えた フェンシング代表フランス人HCの「メンタル強化策」の中身
【パリ五輪】女子フルーレ団体
100年以上の歴史を誇るグラン・パレで、フェンシング日本女子が新たな歴史を刻んだ。
2日、世界ランク4位の日本が3位決定戦で同6位のカナダを1点差で破り、銅メダル。日本女子史上初のメダルを手にした。
フルーレ女子を率いるのは、フランス人男性のフランク・ボアダン・ヘッドコーチ(52)。1996年アトランタ大会で選手として銅メダルを獲得した同コーチは、フランスでの指導を経て2017年1月に来日。選手には「フェンシングはメンタルが8割」と教え込み、技術はもちろん組織力、試合での闘争心、集中力の高め方など、心身両面から強化した。
フランクコーチが最も日本人に足りないと感じたのは、闘争心だった。球技でいう球際の強さ。接近戦の際どい勝負での得点力に欠けると判断し、「虎になれ。強気でアグレッシブに行こう」と発破をかけ続けた。
そんなフランク流メンタル強化策が、7年半の時を経て実を結んだ。日本は同点で迎えた第4ピリオドで1点リードを奪うと、第5ピリオドは攻撃の手を緩めず、リードを5点差に広げた。最終第9ピリオドは1点差に迫られたものの、最後の最後までカナダを攻め続けた。