フェンシングがメダルラッシュでも名誉挽回ならず? 選手は“スポ根合宿”逆戻りにビクビク
快挙が続いている。
カイロで開催中のフェンシング世界選手権。現地19日の男子エペで、東京五輪団体金メダリストの見延和靖(35)が銀メダルを獲得すると、同20日には女子サーブルの江村美咲(23)が金メダルに輝いた。見延のエペ種目銀は世界選手権で日本勢初のメダル。江村は日本女子個人で史上初、サーブル種目として男女を通じて初の金である。
活躍めざましいフェンシング界だが、今年6月の沖縄合宿がレジャー中心だったと「週刊文春」に報じられた。協会の武井壮会長は不適切な部分について謝罪し、助成金の申請を全て行わないことを決めた。選手、関係者は今大会の活躍で「名誉挽回なった」と胸をなでおろしていることだろう。
「他のアマチュア競技団体の選手やスタッフも同じです。文春の報道以降、各団体で“引き締め”の申し合わせがあったそうです。今後、公金を投じる代表合宿や海外遠征の際は、団体からスケジュールなどに厳しいチェックが入る。場合によっては、オフ日の行動も大きく制限され、選手の自由が限りなくゼロになる可能性もある。必要以上に『監視』され、少しの息抜きも許されない、ひと昔前のスポ根合宿に逆戻りすると、選手は戦々恐々なのです」(スポーツライター)
そんな中、フェンシングがメダルラッシュに沸いたわけだが……。
「選手の中には、これで『適度な息抜きは取り入れるべき』と規制緩和の方向に向かうのではないか、と期待する向きもある。ただ、今回結果を出したからといって元に戻れば、『何でもアリ』になる危険もはらむ。アマチュア団体は内輪の仲良しグループで物事を進めがち。強化費はあくまで国民の税金の一部ですから、資金の使途を客観的に精査できる第三者の存在は不可欠です」(同)
勝てば官軍、とはいかないということだ。