巨人元オーナー渡辺恒雄氏が死去…記者が見た強烈威光 その瞬間、読売関係者が道路の真ん中で大の字に

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「これから、家に帰って『ごくせん』を見るんだ」

「会社のトップを執拗な取材から守るため、身を挺して追跡する車を止める。そこまでやるか、と戦慄を覚えた」

 とは、行く手を阻まれた民放テレビ局関係者の回想だが、

「別の読売関係者が、待機する我々のバイクの鍵を次々に抜き取って、反対側の街路樹に投げ込むなんてこともありましたね。それだけ、畏怖されていたのでしょう」

 ドラフトを「独禁法違反だ!!」と言い、新リーグ構想をぶち上げた末に、力づくでFA制度や逆指名制度を導入。三顧の礼で迎えたはずの清原和博が不振に陥れば、故障で離脱すると聞いて、「これで勝つ要因が増えた。邪魔をしなければいい」と言い放つ。KKの片割れ、桑田真澄がメジャー挑戦の動きを見せれば、「俺が肩代わりしている17億の借金はどうなるんだ」と暴露する。巨人を利するためだけとしか思えない強引な手法、歯に衣を着せないにもほどがある発言は、野球ファンの神経を逆なですることも多かったが、記者はまた別だった。

 行きつけの和食店での宴席のあとにつかまえれば、「君らも大変だな」とご機嫌でリップサービスもする。担当記者はネタに困れば、渡辺氏を追いかけた。「君らと話をしている時間はない。これから、家に帰って『ごくせん』を見るんだ。仲間由紀恵はいいね。勧善懲悪、胸がすくんだ」。

 “独裁者”には、そんな一面もあった。

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