《最終回》80歳になっても「こんなプレーは教わっていない」と言わせない野球を伝えたい
「鬼の遺言」の第1回は2011年7月5日付だった。そこから「続」「新」「鬼の視点」を経て、現在は「鬼の秘伝書」に名前を変え、隔週掲載になり、通算13年半。そんな長期にわたって続いてきた連載も、ついに今回で最終回を迎える。
長い付き合いになったゲンダイの編集者によれば、特別寄稿も含めると、全部で400回弱になるそうだ。私の信念は、選手たちに「こんなプレーは教わっていない!」と言われないようにすることだ。ありとあらゆることを想定し、100試合に1回しか起こらないようなプレーでも教えたい。
中継やバントシフトといった1点を与えない守備、1点をもぎ取る走塁など、もっと細かいプレーを追求したかったが、グラウンドでは指導できても、文字にするのは難しく、なかなか伝わりにくいというジレンマがあった。私は今年6月に80歳になった。いい潮時である。最後なので、いろいろブチまけて終わりたい。
大谷翔平一色だった24年の野球界。1000億円の契約で年俸100億円なんて聞いてしまうと、猫も杓子もメジャーへ行きたがるのも当然である。