春合宿はデメリットの方が大きいと感じる理由...だからセンバツ出場時もしなかった

春のセンバツに21世紀枠で初出場する壱岐(長崎)に対し、早くも1000万円超の寄付金が集まっているそうです。ふるさと納税を活用し、全国からお金が寄せられているとの報道がありました。島の内外からの期待を背負い、大舞台での活躍が注目されています。全出場チームが確定したことで、各校も甲子園に向けて本格的な準備に入っていることでしょう。
プロや大学がこの時期に春季キャンプを行うのと同様に、高校野球でも強化合宿を実施するチームは少なくありません。さすがに1カ月間とはいかないものの、1週間程度の合宿を行うのは珍しくなく、特に春のセンバツを控えた学校ではその傾向が顕著です。
では、専大松戸はどうか。答えは、「まったくやりません」です。
かつて竜ケ崎一(茨城)で指揮を執っていた頃は、春には千葉の勝浦や鴨川の施設にお世話になっていました。同じ施設を使い続けているうちにオーナーとも親しくなり、最終的には3食付きの1泊5000円ほどで面倒を見ていただけるようになっていました。
それくらい当たり前のように春に合宿を実施していましたが、ある時ふと気づいたのです。「これはデメリットの方が大きいのでは」と。
雪が降る地域の学校にとっては、全力で白球を追える環境を整えるために、春合宿は欠かせないイベントかもしれません。しかし、私たちの拠点は雪がほとんど降らない南関東です。春の合宿のメリットといえば、選手の気分転換になることくらいでしょうか。
夏合宿であれば、遠方の学校と練習試合を組める上に、新入生の普段の様子を知ることができ、彼らに集団行動を教えたり、環境の変化への適応力を学ばせたりする良い機会になります。しかし、春は対外試合の制限があり、新入生はいません。
ただでさえ用具代などが年々高くなっている中、前述のように相場よりも格安で実施できたとしても、選手の親御さんにこれ以上の負担をかけるわけにはいきません。しかも、今の子どもたちは
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