監督に最も向いているのは「内野手」…捕手最強監督論に異議を唱えたい
二塁に走者がいる際には、投手に「牽制球」のサインを出す。同時にセンターには「前進」のサインを送る。送球がそれた時、センターのポジションが深ければ三進を許してしまうからだ。二遊間があちこちにサインを出していることは、あまり知られていない。
投手は自分から捕手に配球のサインを送ることがあるが、これはまれ。外野手に至っては自分からサインを出すことは皆無である。よく「外野手に名監督はいない」と言われるのは、そういう環境が関係しているかもしれない。
配球のサインを出す捕手同様、いやそれ以上に内野手は1球ごとに場面を考えながら、サインを出して動いている。
つまり、1球ごとにサインを送る監督に近いのは、配球のみの捕手より、実は内野手ではないかと思うのだ。
今年90周年を迎える阪神の歴史上、日本一になったのは1985年の吉田監督と23年の岡田監督の2人だけ。2人とも二遊間の出身なのは偶然だろうか。
サインといえば、監督やコーチでも、出せる人と出せない人に分かれる。内野手出身の首脳陣は現役時代から出し慣れているだけに、素早くできる人が多い。