認知症の予防リハビリで“頭”を使った訓練は有効なのか?
ねりま健育会病院の「介護老人保健施設(老健)」では、認知症ではなくても高齢者の「認知機能向上リハビリ」を実施しています。前回は、認知症の発症を遅らせるために取り組む①「予防リハ」のうち、筋力トレーニングについてお話ししました。
予防リハでは筋力トレーニング以外にもさまざまな訓練を行います。認知症を予防するためには、体を使う=筋力と体力を向上させるだけでなく、頭を使う=学習することが重要です。
手の親指と他の指を交互に合わせたり離したりする親指体操などの手指訓練、積み木を使って立体を作る立体形合わせパズル、塗り絵や絵を描くなどの創作活動、簡単な四則計算や100マス計算(縦横に10個ずつ、マスのある左列と上列にそれぞれ0~9の数字が1つずつ書かれていて、それが交差するマスで足し算、引き算、掛け算、割り算をする計算トレーニング法)、文章を読んでから出題される質問に答える訓練など、さまざまなリハビリを行います。
また、歌を歌ったり楽器を演奏したり、音楽を鑑賞する音楽療法もあります。いずれも、脳に適度な刺激を与えて脳活動を増やし、脳を活性化させるのです。