「山伏ノート」坂本大三郎著
■30代で山伏になったイラストレーター
1975年生まれのイラストレーターが30代で羽黒山の山伏修行と出合い、山伏文化に興味を持ち、ついには山伏になったという。著者はときどき山にこもり、大自然の中で生き延びる技術を実践・習得。虫やカエルを食料にし、山伏に伝わる薬草を使い、自然とつながる体感を心がけている。民俗学者の折口信夫や柳田国男らの書を参考に、日本の自然民俗を見つめ直す。
朴訥(ぼくとつ)な文体と素朴な絵だが、中身は骨太。震災以降の不安な現状を後ろ向きに憂うのではなく、自然と共生する知恵を授けてくれる。
(技術評論社 1580円)