「聖徳太子の真実」大山誠一編
■聖徳太子は架空の人物だ
日本の歴史・文化を象徴する聖徳太子をテーマにした古代史研究書。
「日本書紀」をはじめ、継体天皇と聖徳太子の系譜を論じた平安初期の「上宮記」など、さまざまな太子関係史料を読み解きその信憑性を検証。結果、聖徳太子の実在性を示す史料は皆無で、後世に成立したものばかり。ゆえに聖徳太子は架空の人物と言わざるを得ないと結論する。
では、聖徳太子はいつ、何のためにつくられたのか。聖徳太子が実在しないならば、真実の飛鳥時代の歴史はどのようなものであったかを論じ、聖徳太子という人物像が「書紀」の中で成立し、それが天皇制の成立に関わることを明らかにする。
(平凡社 1500円)