「父という病」岡田尊司著
■父の不在と母の過重
父権的な社会において、父親は子供にとって畏怖すべき絶対的な存在であり、一家のリーダーであると同時に教育者であり精神的な支柱であった。しかし、社会の変化とともに父親不在が進行し、父親の存在感が低下する中、日本は「父親なき社会」の様相を呈しつつあると指摘。しかし、その役割の重要性が変わったわけではなく、父親がいても機能的に不在だという状況下で母親への負担が大きくなり過ぎているという。
父親不在の空白を埋めようとする子供たちのケースを紹介しながら、父親の存在とはどういうものかを解き明かす。
ベストセラー「母という病」の続編。
(ポプラ社 1400円)