「流されゆく日々3」五木寛之著

公開日: 更新日:

■英雄のわがままを認めない日本社会

 日刊ゲンダイ本紙で1975年から続くデーリー・エッセーの文庫化。3巻となる本書には77年後半分を収録する。

 同年9月3日の王貞治によるホームラン世界記録達成の話題で書き出した章では、「王選手は偉大だな、と思う反面、かわいそうだな、という気持ちを押さえることができない」と英雄の今後を憂う。

 なぜなら、世の中は英雄に対して、その人間のわがままを認めるような自由な社会ではないからだと。その他、喫茶店や映画館に足を運ぶことがデラックスで豊かな気分にさせてくれた学生時代の思い出、イランや北海道などの旅先での雑感など。芸術から風俗にいたるまで琴線に触れた日々の思いをつづる。
(双葉社 620円)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    中日1位・高橋宏斗 白米敷き詰めた2リットルタッパー弁当

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    悠仁さま「学校選抜型推薦」合格発表は早ければ12月に…本命は東大か筑波大か、それとも?

  2. 7

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 8

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 9

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議