「農協解体」山下一仁著
また、農協の信用事業であるJAバンクは、日本第2位を争うメガバンクとなっているが、融資のほとんどは組合員向けの住宅・自動車・教育ローン。農業自体への融資はごくわずかで、農協は農業を興隆させる組織ではなくなっているのが現実だ。
また、高い資材コストを農家に回収させるには、農作物の価格を高くする必要がある。コメでは、減産によって米価を上げる減反政策に、多額の補助金が投入されている。国民は納税者として、また消費者として、二重の負担を強いられる。農協による被害を受けるのは農家だけではない。“農協解体”は、国民全体の問題と認識すべきだ。