「淋しい人はボケる」髙島明彦著
「孤独感が認知機能の低下を招く」という研究がある。フィンランドで男女2000人を対象に21年間の追跡調査を行ったところ、既婚者やパートナーがいる人は、一人暮らしの人よりもボケるリスクが50%低く、離婚後に独身を貫いた人のボケるリスクは、3倍にも高まっていた。
この結果は、動物実験でも明らかになっている。集団で生活するマウスを1匹だけ隔離して飼育すると、ストレスホルモンの増加によって脳の海馬に萎縮が起こり、神経細胞間の情報伝達もスムーズに行われなくなったそうだ。
孤独によるボケを防ぐのは、家族やパートナーだけとは限らない。仕事や趣味で達成感を味わったり、喜びを感じられる活動に打ち込むことも有効だという。
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