『「長生き時代」を生きる』小澤利男、落合恵子、加賀乙彦著
100歳人口が5万人を超えた日本。しかし、亡くなる直前まで完全なる健康体という人はほとんどおらず、病気と向き合いつつも人生を楽しむ生き方が求められる時代だ。本書では、老年医学の権威や作家らが、長寿大国での生き方について語り合っている。
脳梗塞と認知症、そして運動器の疾患が増えるロコモティブシンドロームが「3大長生き病」と呼ばれ、長生きすればするほどこれらを防ぐことは不可能になってくる。しかし、“健康感”を維持することはできる。その要素となるのが、視力と聴力に支障がないこと、80歳で自分の歯が20本以上残っていること、学習意欲を持つことなどだと本書。
高齢者に必要な医療や、死への心構えなどについても言及している。
(集英社 1200円)