「世界が驚いた 科学捜査事件簿」ナイジェル・マクレリー著、沼尻由起子訳
指紋法や血液分析などの科学捜査技術が実際の事件に、どのように貢献したかを紹介しながら、その発展の歴史を振り返るノンフィクション。
DNA鑑定が初めて犯人逮捕と容疑者の無実の証明に役立った1980年代のイギリスの連続少女強姦殺人事件、銃の遊底の不具合によってできたと思われる薬きょうの傷が凶器特定の決め手となった1927年の巡査殺人事件、シーツに包まれた遺体の衣類に付着していた両目のない珍しい甲虫が犯行現場を特定した1924年のパリのノミ屋殺人事件など。推理小説のように事件解決の経緯を詳述しながら、科学捜査技術に関与した人々の物語を紡いでいく。
(河出書房新社 2000円)