「男役」中山可穂著
男役トップに上り詰めた扇乙矢は、お披露目公演2日目の舞台中に事故死する。以降、奈落にすみつく宝塚の守護神ファントムさんとして語り継がれ、ファントムさんに見込まれた者は、トップになれると噂されていた。
50年後、大劇場では、月組男役トップスター如月すみれのサヨナラ公演が控え、新人公演には永遠ひかるが大抜擢。千秋楽にそれぞれを待ち受ける奇跡が……。
宝塚ファンだった著者が、男役という世界でも珍しい芸能に対する深いオマージュを込めて描く、宝塚版オペラ座の怪人。
(KADOKAWA 1600円+税)