「生物多様性」本川達雄著
生物多様性の大切さを解説した生物学講義。
地球上には分かっているだけで約190万種、未発見の種を含むとおそらく3000万種以上が存在しているという。近年、その生物多様性が急速に失われ、毎年、全種数の0.01~0.1%、1日に5~50種の生物が地球上から姿を消している。
恐竜が絶滅した時代の1000年に1種程度という絶滅速度とは雲泥の差だ。このままでは次世紀までに鳥類の12%、哺乳類の25%が絶滅するともいわれている。
生物多様性が最も高い熱帯雨林やサンゴ礁における生物の共生、生物の進化の歴史などを解説。その上で、急激な生物多様性の減少にどう向き合うべきかを考える。
(中央公論新社 880円+税)