中川淳一郎「自分が『稼げる男』か47項目でわかる
■「『稼げる男』と『稼げない男』の習慣」松本利明著
松本氏の本は有能な男と無能(普通)の男の違いを47項目挙げた書である。人事・戦略コンサルタントが書いた本書、基本的に言ってることは「そりゃそうだよな」と思う常識的な話が多いのだが、改めてこうして文章化され、「稼げる男」「稼げない男」という二項対立を突きつけられると、自分がどちら側の人間かが分かり、絶望するかもしれない。
ただし、絶望したとしても、本書では「じゃあどうやって行動すればいいのか」の指針も明確に描かれているため、今すぐ意識を変えることができる。たとえば「稼げる男は、上司の立場になりきり、自分が部下を持ったときのことを想像し、考えます」の後に、上司が期待することは概ね5つあると説明し、その項目を箇条書きにしているのである。基本的に私はビジネス書はあまり読まないが、「自分はまともな人間か」の判断基準となる良書である。
「三国志」については、「はだしのゲン」と並び、唯一小中学校の図書館にあった漫画だったから知っている方もいるのではないか。文庫版は、30巻セットで2万400円。アマゾンで全巻を「大人買い」すると、今年の長いGW、飽きずに楽しめることだろう。私も改めて20年ぶりぐらいに読んでみたのだが、若い頃の劉備が案外策士で、人からいかに信用されるか、いや、だまくらかして油断させるかの達人だったかを知って、若い頃には気付かなかった新たな発見があった。中年には中年なりの読み方があると思う。