対米屈従の首相と基地マフィアの実態

公開日: 更新日:

「政治家はおれの帽子だ。優秀な政治家はいらない。おれの言うことを聞くやつでいい」と仲泊は周囲にうそぶいていたというが、もちろん、こんな経営者ばかりではない。

 翁長雄志知事を誕生させた金秀グループ会長の呉屋守将は、この本で「沖縄はカネの奴隷にならない。なりたくない」と言っている。呉屋はユーモアもたっぷりのようで、ある会で、金秀グループは建設業だけれども基地関連の工業はやらないと言っていると紹介されるや、「いや、やります。基地の撤去工事をやります」と答えて、満場の拍手を受けたという。

「基地も原発も、建設工事より廃炉、撤去工事のほうが喜んでやれるじゃないですか。いつ日本を破壊するかわからないものを建設するより、安心安全な国をつくるための工事のほうが誇りだって持てる」という呉屋の言葉には哲学がある。同じく翁長を応援したかりゆしグループCEOの平良朝敬は、観光は平和産業であり、「平和なくして成り立たない」と断言し、中国と琉球の古くからの交流に触れて、「中国が琉球に攻め入ったことはないし、将来もないと思っている」と主張している。★★半(選者・佐高信)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出