対米屈従の首相と基地マフィアの実態
「政治家はおれの帽子だ。優秀な政治家はいらない。おれの言うことを聞くやつでいい」と仲泊は周囲にうそぶいていたというが、もちろん、こんな経営者ばかりではない。
翁長雄志知事を誕生させた金秀グループ会長の呉屋守将は、この本で「沖縄はカネの奴隷にならない。なりたくない」と言っている。呉屋はユーモアもたっぷりのようで、ある会で、金秀グループは建設業だけれども基地関連の工業はやらないと言っていると紹介されるや、「いや、やります。基地の撤去工事をやります」と答えて、満場の拍手を受けたという。
「基地も原発も、建設工事より廃炉、撤去工事のほうが喜んでやれるじゃないですか。いつ日本を破壊するかわからないものを建設するより、安心安全な国をつくるための工事のほうが誇りだって持てる」という呉屋の言葉には哲学がある。同じく翁長を応援したかりゆしグループCEOの平良朝敬は、観光は平和産業であり、「平和なくして成り立たない」と断言し、中国と琉球の古くからの交流に触れて、「中国が琉球に攻め入ったことはないし、将来もないと思っている」と主張している。★★半(選者・佐高信)