「清正を破った男」矢野隆著
肥後に侵攻してきた島津軍に囲まれた赤井城の城主・木山弾正惟久は、妻のお京と息子・五郎を守るため、城を捨て、自ら敵陣の中に切り込む。九死に一生を得た一行は、お京の兄・種元を頼って天草にたどり着く。
天草を治める5人の城主のひとりである種元の援助を受け、客将として暮らす弾正は、武勲よりも家族を優先した自分の選択が正しかったのか悩む。
1年後、九州統一を目前にした島津家と大友家との最後の決戦が迫る中、秀吉が18万の軍勢を連れて、九州に向かって出陣したとの報が入る。
愛に生きる弾正と武勲に生きる加藤清正の出会いと戦いを描く時代長編。(講談社 800円+税)