「旅の流儀」 玉村豊男著
国内外で多くの旅をしてきた著者が旅をテーマにつづったエッセー集。どんな旅行のときも、まずはパンクツ(パンツ+靴下)から始まるという旅支度の話から、若き日に習得したヒッチハイクの極意、言葉の通じない海外の理髪店で髪を切ってもらう楽しさなど、これまでの旅のエピソードを交えながら、その醍醐味を語る。一方で、かつては旅に欠かせなかった本や、移動中の機内の映画が楽しみでなくなってきた代わりに、ただぼんやりとして時を過ごせるようになったと、加齢で旅のスタイルが変わっていくことも打ち明ける。自らのワイナリーやレストランで旅行客を迎える視点からの話も交え、39章からなる旅への招待状。(中央公論新社 760円+税)