「イルカ漁は残酷か」伴野準一氏
現在、日本のイルカの追い込み漁が「残酷だ」と非難され、国際的な問題になっている。おかげで、世界動物園水族館協会も、追い込み漁で捕獲されたイルカを入手している日本動物園水族館協会の会員資格を停止するという事態にまで至っている。
著者がこの問題に関心を持ったのは、2010年に日本で公開された映画「ザ・コーヴ」を見てからだという。
「製作者の意図通り『これはひでえな』と思いましたね(笑い)。それがイルカ問題に関わるきっかけでした。その後、追い込み漁が行われている太地町の漁師の側に立ったNHKの特別番組が放映されたり、ケネディ駐日大使の『イルカ追い込み漁の非人道性について深く懸念している』というツイートに安倍首相が反論するなどの動きがありましたが、私は取りあえず太地町に行こうと。で、滞在最後の日に偶然、追い込み漁を目撃したんですが、確かに屠殺する場面は残酷で、ショックを受けましたね。牛や豚だって屠殺していると言う人もいますが、イルカの屠殺ははるかに残酷です」
太地町ではシーシェパードなどの動静を警戒して、入り江の臨時交番には公安担当者が詰めていた。ホテルで調べたらしく、著者の名前も既に把握されていたという。