「レイチェル・カーソンはこう考えた」多田満著
レイチェル・カーソンは、半世紀も前に化学物質の生態系や人間への影響を警告した名著「沈黙の春」の著者。「環境問題の古典」ともいわれる同書をはじめ、カーソンの一連の作品を読み解きながら、彼女が次世代に伝えようとしたメッセージの核心を解説するテキスト。
海洋生物学者として米内務省漁業局に勤務していた彼女は、海辺や大海原、海底で暮らす生き物について書いた「潮風の下で」で作家デビュー。この作品で描かれる生物の多様性をはじめ、環境問題を初めてグローバルな視点で捉えた「沈黙の春」、地球の美しさと神秘を感じとることの意義と必要性を伝える「センス・オブ・ワンダー」など。決して古びることのないその環境思想を学ぶ。(筑摩書房 780円+税)