「ロンドン狂瀾」中路啓太著

公開日: 更新日:

 1930年、ロンドン軍縮会議で日本の首席全権・若槻礼次郎は対米7割の大型巡洋艦の比率を認めさせようと必死に交渉を重ねていた。だが、イギリス側は強硬で、その上、外交交渉を知らない海軍の財部大将の失言も重なり、思い通りに進まない。

 その夜、パブで独りグラスを傾けていた外務省情報部長の雑賀潤に、若い女が日本語で話しかけた。日本にいたとき、ある財閥の迎賓館で、誤って雑賀に酒をかけた瀬山春子だった。春子はアメリカの外交官スティムソンが若槻を高く買っているという。この女は何者だ……。

 強硬な米英にひるまず戦った若き外交官を主人公にした歴史大作。(光文社 2100円+税)


【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情