「スマホ老眼は治る!」荒井宏幸氏
目のピント調節機能が低下する“スマホ老眼”増えています
40代に入ったあたりから初期症状を感じる人が増えてくる老眼。いつものように手元の書類に目を通そうとすると、文字がぼやけて読みにくい。“ついに俺も老眼の年齢か……”と、落ち込む出来事だ。ところが近年、加齢以外の原因で老眼の症状を引き起こす人が増えているという。
「ズバリ、“スマホをよく使う人”は要注意です。スマホの使い過ぎが原因で、老眼とは無関係の若い世代に老眼の症状が表れたり、加齢に伴い緩やかに進むはずの老眼が急速に進むなどのケースが増加しています。『スマホ老眼』は、もはや国民病ともいえる問題です」
私たちの目がものを見るとき、目の中では毛様体筋が伸び縮みし、カメラのレンズの役割を担う水晶体の厚みを調節してくれる。これによって、遠くや近くのものにピントを合わせることができるのだが、加齢により水晶体が硬くなるとピントが合わせにくくなる。これが、老眼の仕組みだ。一方、スマホ老眼の原因は、毛様体筋の疲労であるという。
「スマホを見ているとき、目との距離はどのくらい離れているでしょうか。電車内でスマホ操作をしている人を見てみると、15センチ程度しか離れていない人も珍しくありません。近くのものにピントを合わせるとき、毛様体筋は収縮し、水晶体を厚くします。その際の毛様体筋への負担は非常に大きなもので、やがて疲弊し、ついには近くのものにピントが合わなくなってしまう。これがスマホ老眼なのです」