「闘う力」なかにし礼著

公開日: 更新日:

 2012年、食道がんを陽子線治療で克服した著者だったが、昨年2月、リンパ節に新たながんが見つかってしまう。しかも、今回のがんは前回の治療で陽子線を照射した付近にあり、再度陽子線治療を行えば気管支に穴が開く可能性が高かった。

 若い頃に発症した狭心症の影響で心臓が弱く、開胸手術には耐えられる自信がない。仕事は引退し、残された人生を緩和ケアで生きようとすら考えていたという。しかし、主治医らの熱心な説得に心を動かされ、一転、開胸手術を決意。抗がん剤との激しい闘いの末、“再発がん克服”を成し遂げたのだった。

 小説を書き続けたことでもたらされた活力や、メンタル面を医学的に支えた「精神腫瘍科」の存在など、著者の闘う力の源も明らかにしていく。(講談社 1000円+税)




最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇