「西洋医学が解明した『痛み』が治せる漢方」井齋偉矢著
西洋医学の痛み止めに用いられる非ステロイド性抗炎症薬は、痛みの原因物質を抑え込む仕組みで痛みを止める。CMなどで“○○で痛みのもとをブロック”という、うたい文句を耳にすることも多い。
しかし、このような薬は慢性の痛みには効きにくい。傷はもうないのに痛みの伝導路が興奮し続ける「神経障害性疼痛」や、痛みの記憶を消す回路に障害が生じる「心因性疼痛」などが複雑に絡み合っているためだ。
一方、漢方では体の中で起きている“異常な状態”を改善しながら痛みを取り除いていく。冷えや疲労、ストレスを和らげるなど、痛みとは無関係に思える症状の改善から痛みにアプローチするのが漢方なのだ。
片頭痛や腰痛、胃痛など、漢方が効く慢性の症状別の処方も紹介する。(集英社 720円+税)