「アリバイ会社にご用心」新藤卓広著
右藤は、殺人事件の容疑者として任意同行を求められる。被害者の佐々木は、右藤が勤務する「鈴木アリバイ会社」の顧客だった。会社は、不倫などのために依頼客のアリバイを作るのが仕事で、事件がらみのアリバイ作りには応じていない。佐々木の依頼は家族に会社勤めを装うためのアリバイ作りだった。
刑事は、右藤の父親が殺人犯だと知っており、執拗に自白を迫ってくるが、右藤には身に覚えがない。会社に戻ると、佐々木殺しの犯人だと名乗る女・美紗が自分のアリバイを崩してほしいと訪ねてくる。実は、ある事情から会社には内密に佐々木の身辺を調べていた右藤は、奇妙な美紗の依頼に応じる。「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞受賞作の第2弾。(宝島社 700円+税)