「スイッチを押すとき」山田悠介著

公開日: 更新日:

 2030年、洋平は八王子の施設から横浜センターへ異動になる。30年前、増加する若年層の自殺に対応するため国は、選出された子供を高ストレス環境に置き、その精神構造を解明するプロジェクトを立ち上げる。

 無作為に選ばれた子供たちは5歳のときに心臓に装置を埋め込まれ、10歳で親と隔離。施設に収容された子供たちには、押すと心臓が停止するスイッチを持たせ、共同生活下に置くのだ。その施設の監視員を務める洋平は、横浜センターには最長ともいえる7年間も耐えて生き延びた4人が暮らしていると知り、驚く。洋平は彼らの力になりたいと同僚の目を盗み、個人的に接触を図る。

 中高生に支持されるカリスマ作家による感動作。(河出書房新社 600円+税)


【連載】文庫あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 4

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  5. 5

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  1. 6

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  2. 7

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  3. 8

    NHK新朝ドラ「あんぱん」第5回での“タイトル回収”に視聴者歓喜! 橋本環奈「おむすび」は何回目だった?

  4. 9

    歌い続けてくれた事実に感激して初めて泣いた

  5. 10

    フジ第三者委が踏み込んだ“日枝天皇”と安倍元首相の蜜月関係…国葬特番の現場からも「編成権侵害」の声が