「母の恋文」下重暁子著

公開日: 更新日:

 ベストセラー「家族という病」で、母親の自分に対する執着や父親との確執を明かし、家族との関係を見つめ直した著者。その後、母が結婚前に陸軍の武官として中国に赴任中の父と交わした手紙が見つかったという。その手紙を紹介しながら、知られざる両親の関係と、家族について改めて考えたエッセー。

 両親はともに再婚で、母の叔父の紹介で結婚が決まったが、文通が始まったときにはまだお互いに会ったこともなかった。母は死別した前夫との結婚生活をはじめ、包み隠さず手紙にしたため、文通を重ねるごとにまだ見ぬ夫への思いを募らせていく。そんな情熱的な母の手紙に戸惑いながらも、著者は自分が母の強い意志のもとで生まれてきたことを知る。(KADOKAWA 1000円+税)

【連載】新書あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭