「英EU離脱!日本は円高に対処できるか」野口悠紀雄著

公開日: 更新日:

 イギリスのEU離脱が世界と日本に及ぼす影響を論じた経済テキスト。

 日本ではイギリスの決断は「移民の受け入れを拒否する身勝手なもので、孤立主義への逆戻り」という論調で伝えられている。しかし、問題の本質は国家統合の試みが正しいかどうかということであり、イギリスは大陸諸国との自由な経済取引を放棄したわけではないと指摘。問題はEU側にあることを解説し、EU分解の可能性に言及する。

 一方で、イギリスのEU離脱やイタリアの金融危機の深刻化で円高傾向が加速すると予測。政権と日銀の経済・金融政策を批判し、今、必要なのは輸入物価の下落を国内物価の引き下げにつなげ、それによって実質賃金の上昇と実質消費の増大を目指すべきだと提案する。(ダイヤモンド社 1600円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に