ポピュリズムの嵐吹き荒れる今こそ知りたい「動乱のロシア史」

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「ロシア革命」池田嘉郎著

 ソ連邦を生み出したロシア革命。なぜあのような大革命が20世紀に可能だったのか。本書はこの問いを2つの面でとらえる。

 第1は、ロシア革命が元は「言論の自由」「私的所有権」「人身の不可侵」など、同時代の西欧諸国と同等のものを実現させようとしていたこと。これらはその後消滅してしまう。つまりロシア革命が「何を捨てたか」という関心だ。第2は、とかく世界史全体の中で語られがちなロシア革命を「ロシア史」の中で再検討すること。これはローカルな文脈に注目するということである。2月革命から10月革命までの「破局の8カ月」を描く意欲作。(岩波書店 840円+税)

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