「姥捨て山繁盛記」太田俊明著

公開日: 更新日:

 初期の認知症と診断され、59歳で大手企業を早期退職した西澤亮輔は、山梨県穂津村の介護施設「シニアの郷・穂津」に入所する。周囲の景色は美しく散歩にはもってこいの場所だが、川から下はダムの水没予定地になっており、立ち入り禁止区域だという。娘の由香が言うには、50年前に持ちあがったダム建設計画の反対者たちが居残る“姥捨て村”があるらしいのだ。そして村には日本一のワイナリーがあるとも。

 ある事件をきっかけに姥捨て村を訪れるようになった亮輔は、やがてワイナリーを営む枡山が語る、村への思いに共感。亮輔は村に移り住み、村営に乗り出すのだが……。

 ダム建設を巡って分裂した村を舞台に、新しい人生を生きる意欲を取り戻した男を描いた、第8回日経小説大賞受賞作。(日本経済新聞出版社 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動