「『奨学金』地獄」岩重佳治著
奨学金の返済に追い詰められる若者たちの実態を伝えながら、制度の問題点と救済策を考える問題提起の書。
地方から上京して国立大に進学したものの、奨学金とアルバイトでの生活が行き詰まり、一時はホームレスになった男子学生、卒業前に奨学金の返済額を知り、内定先を断ってAV嬢になった女性、奨学金を返済するためにブラック企業で働き過労死した男性など、若者たちが直面している現実をリポート。
日本育英会が独立行政法人日本学生支援機構に組織改編された2004年以降、奨学金が金融事業化され、過酷な取り立てがなされている実態を指摘しながら、奨学金の無利子化の実現や、高等教育の無償化など、問題解決のための道を示す。(小学館 780円+税)