「経済と人間の旅」宇沢弘文著
すべての人々が豊かな経済生活を営み、優れた文化を展開し、魅力ある社会を持続的・安定的に維持することを可能にする「社会的共通資本」を提唱した世界的経済学者の自伝。
氏は、1928(昭和3)年、鳥取県米子市生まれ。宇沢家は女系家族で兄が200年ぶりに誕生した男の子だったという。3歳のとき、教師を辞め商売に手を出した父が一家を連れて上京。ラグビーに明け暮れた一高時代や、医学部志望から心変わりして入学した東大数学科での学生生活、そして研究生時代に経済学に本格的に取り組むようになった理由など。
人生を振り返りながら、各国の学者や指導者らとの交流や、日本が再生するために取り組まなければならない課題を語る。
(日本経済新聞出版社 1000円+税)