「西郷どんと篤姫」中江克己著
「維新三傑」のひとり、西郷吉之助(隆盛)と、13代将軍家定の正室・天璋院篤姫の知られざる絆を描く歴史読み物。
薩摩藩の下級武士の家に生まれた吉之助は、28歳のとき、藩主・島津斉彬に見いだされ、庭方役に任じられる。斉彬の極秘の仕事を手助けしたり、情報収集など、秘書の役割を果たす。篤姫の大奥への輿入れの際には、斉彬に命じられ、調度品や衣装の支度にも奔走する。
13年後、吉之助は新政府軍の指揮官として大軍を率いて江戸に進軍。伝え聞いた篤姫は、徳川宗家の家名と江戸の町を守るために嘆願書をしたため、吉之助に届け、江戸城総攻撃の中止に貢献した。生涯でたった一度しか会見しなかった2人の人生をたどりながら、幕末維新を描く。
(青春出版社 830円+税)