「ぐるぐる♡博物館」三浦しをん著
茅野市の「尖石縄文考古館」から大阪市天王寺区の「ボタンの博物館」まで全10館を巡った好奇心とユーモア満載のルポエッセー。
たとえば、「熱海秘宝館」。そこは明るいエロスに満ちた殿堂で、展示された無数の男性器・女性器を見た著者は、「性的な事柄とは、隠そうとするから隠微なエロスを生じせしめるのである。秘宝館は、その対極と言っていい存在だ」と納得。
その後、おみくじを引いたら、「ストレスが解消される小穴(小吉)じゃ」ときて、「幸運の場所は旅館・ホテル」。お勧めの体位は「こたつ隠れ」と書いてあり、「親切かつ具体的な託宣、ありがたし」と喜ぶ。
目白押しの展示品に気力・体力が奪われ、見学後は休憩を取ったという。(実業之日本社 1600円+税)