「百貨店の展覧会」志賀健二郎著

公開日: 更新日:

 百貨店といえば高品質商品を販売しているというイメージがあるが、一方で、販売を目的としない文化的な催し物を頻繁に行ってきた。その歴史は1904年の三越に始まり、特に戦後は都心の百貨店が競うように取り組んだ。

 展示されたものは多岐にわたる。国宝級の美術品のみならず、今では多くの美術館で当たり前に扱われている写真、映像、漫画などサブカルチャー的な展覧会も比較的早い時期から展示していた。

 そして50年代からは寺社展を中心に国宝・重文などの文化財による展覧会を頻繁に開催してきた。

 こうした展覧会は企業の社会貢献といった肩肘張ったことでなく、日常の営業の中で行われてきたという。

 百貨店展覧会の歴史を網羅的にまとめた貴重な記録。 (筑摩書房 2500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出