「ロング・ロング・ホリディ」小路幸也著
1981年、札幌の大学に通う20歳の幸平は、講義以外の時間のほとんどをバイト先の喫茶店「D」で過ごしていた。アルバイト仲間は、留年を重ね25歳のリーダー格のナオキら、個性豊かで働いていて心地よい。
ある日、店に東京にいるはずの6歳上の姉が幸平を訪ねてきた。旭川の実家を出たままの姉と会うのは7年ぶりだった。商社で働いているはずの姉は理由も言わずに幸平の部屋で居候を始める。姉は、幸平の先輩の恭子や、ナオキを慕う女子高生のヒロコら常連客とすぐに親しくなる。そんななか、バイトの兄貴的存在で、店を統括する社員の岡本さんが、社長と喧嘩をして、辞めてしまい、バイトたちは動揺する。
Dで働く若者たちの成長と葛藤を描く青春小説。
(PHP研究所 760円+税)