「霧(ウラル)」桜木紫乃著

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 昭和35年、北海道・根室の芸者・珠生は、常連客の側近・相羽に密かに思いを寄せる。しかし、相羽は社長の身代わりとなって服役してしまう。珠生は、根室に帰ってくるかどうかも分からない相羽を待ち続ける。

 そんなある日、珠生が住み込みで働く料亭に妹の早苗が訪ねてきた。5年ぶりに会った早苗は、姉の智鶴の結婚が決まったと告げる。3人姉妹の父親は、地元経済を牛耳る水産会社の社長で、珠生は両親に反発して家を出て芸者になったのだ。智鶴の婚約者は運送会社の御曹司・大旗で、国政選挙出馬の準備を進めているという。やがて珠生は出所した相羽と暮らしはじめ、早苗は金貸しの次男を婿にして家業を継ぐ。

 国境の町に生きる3姉妹のそれぞれの愛と波乱の人生を描く長編。

(小学館 690円+税)

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