「柳生三代の鬼謀」鳥羽亮著
永禄6(1563)年夏、大和国の柳生家の当主・宗厳に宝蔵院流槍術の創始者・胤栄から、天下に名が知れ渡った兵法家・上泉伊勢守秀綱が宝蔵院に立ち寄るとの知らせが届く。宝蔵院に駆け付け、立ち合いをした宗厳は、伊勢守が創始した新陰流の精妙さに心打たれ弟子入りを志願、伊勢守を柳生の里に迎える。新陰流の神髄は敵を殺さぬ「活人剣」にあると教えられた宗厳は、衝撃を受ける。
半年後、故郷から伊勢守の嫡男が合戦で死んだとの知らせが届く。宗厳は、帰郷せず上洛するという伊勢守から、刀を持たずに敵と向かい合う「無刀取り」を会得し後世に伝えるよう託される。
柳生新陰流の祖・石舟斎こと宗厳をはじめとする柳生3代の剣客を描いた時代剣劇小説。
(徳間書店 670円+税)