「くわしすぎる教育勅語」高橋陽一著
「教育勅語」は明治天皇の名で1890年に出されたもので、「父母に孝に」など12の徳目が説かれている。その最後に置かれているのがこんな徳目だ。「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スへシ」。ひとたび非常事態が起きたときは大義に勇気を振るって国家に尽くし、天と地とともに無限に続く皇室の運命を翼賛すべきである、の意。1945年に、教育勅語に基づく修身科などの授業は禁止されたが、1958年から「道徳」が小・中学校の時間割に入れられた。さらに2015年には「特別の教科」として位置付けられている。
「教育勅語」の文言を精読し、問題点を解説した一冊。
(太郎次郎社エディタス2000円+税)