「快楽一路」工藤美代子著
60代、70代になっても真剣に恋愛をする女性たちのセックスライフを取材したノンフィクション。
親友の恵美子さんは、1950年生まれの著者よりも2歳上の独身だが、定期的に密会する男が2人いる。ある日、著者は恵美子さんの知人の綾香さんから相談を受ける。同居する78歳の母親・瑞枝さんが82歳の恋人を家に連れ込み、睦言が聞こえてくるというのだ。瑞枝さんは、彼と一緒に暮らすために、今住む家を売りたいとまで言いだしたという。瑞枝さんは、面会した著者に、彼とのセックスについて、とうとうと話しだす。
他にも、夫のセックスを金に換算しようとする由里さん、67歳の社長の愛人となって15年の陽子さんなど。人生の残り時間を謳歌する女性たちを描き出す。
(中央公論新社 700円+税)