「東京ミステリ~」戸矢学著
徳川家康は風水・陰陽道に通暁していて、安土城や大坂城を陥落させ、町の基本構造も破壊した。
これは「風水断ち」という手法で、織田家も豊臣家もその後、衰退した。江戸は日本一の風水好適地だが、徳川はそれをさらに補強した。
江戸城を取り囲む掘割は「内堀」「外堀」と呼ばれていて、あたかも同心円であるかのように思えるが、地図を見ると螺旋状になっている。
これは家康に仕えた南光坊天海の構想によるものと考えられる。富士山からの気の流れを江戸城へ集約収斂するための呪術的手法なのだ。
他に、上野赤羽断層に立ち並ぶ神社が示す「東京沈没」の目安など、風水で東京の秘密を解き明かす一冊。
(太陽出版 1600円+税)