「第三者隠蔽機関」石川智健著
警察の不祥事に目を光らせる監察官のスキャンダルが発覚。信用失墜を恐れたK庁上層部は、外資系諜報企業のリスクヘッジ社と契約する。同社では集積した膨大なデータを分析し、不祥事を速やかに察知するとともに隠蔽工作まで請け負う。
4カ月後、同社の情報網にY市の交番勤務の警官・榎本の名前が浮上。理由もなく趣味のバイクを手放した榎本を尾行すると、彼が援助交際の末に美人局で脅迫されている可能性が高まり、担当者の怜良は彼を依願退職させる。さらに怜良らは榎本を脅していた少女らの黒幕を突き止めるべく動く。同社の本当の業務を知らない監察官の和久井は、そんな怜良らの動きに不審を抱く。
諜報企業と監察官の戦いを描く新感覚警察小説。
(講談社 760円+税)