「うちの子が結婚しないので」垣谷美雨著
57歳の千賀子は、友人のモリコから届いた年賀状にため息が出る。娘の結婚が決まったと記されていたのだ。半年前、適齢期を過ぎても結婚する気配がないお互いの娘たちの愚痴を言い合ったばかりだったのに。
千賀子は考えれば考えるほど28歳の娘・友美の行く末が心配でならない。夫も同じようで、子供たちの代わりに親同士がお見合いをする「親婚活」をテレビで知り、乗り気になる。渋る友美を説得して手続きを進め、まずは千賀子が出かけることに。しかし、いざ会場で男性側の親に身上書の交換を申し込んでみると、体よく断られてしまい、千賀子は屈辱を味わう。
一人娘の行く末を案じる千賀子夫婦の奮闘を描く親婚活サバイバル小説。
(新潮社 630円+税)