「『脳が老化』する前に知っておきたいこと」和田秀樹著
認知症は怖い病気だと思われがちだが、85歳以上の4割、95歳以上では8割近くが罹患(りかん)する、老化現象と言えるもの。認知症よりも早い脳の老化が、早い人では40代から起こる「感情の老化」だそうで、意欲が衰え、新しいことへの適応力が弱くなり、感情のコントロールが悪くなる。さらに高齢者は加齢によって神経伝達物質が減少するため、うつ病にかかりやすくなる。
ボケ、認知症に対するいちばんの誤解は「急にボケる」と思っている人が多いこと。こうした脳の老化は、対策を行うことで遅らせることができるそうだ。
本書は、ボケ、認知症、老人性うつ病の現実を精神医学の知見をもとに解説しながら、その対策や治療法、心構えなど具体的に伝授してくれる医療本。
(青春出版社 940円+税)