「夫が脳で倒れたら」三澤慶子著
著者の夫、映画評論家の轟夕起夫は5年前、脳梗塞を起こして、右側だけ頭から足の先までピクリとも動かなくなった。最初、右手の痺れがあったので嫌がる夫を脳神経外科に連れて行ったら、MRI検査で脳梗塞と判明。2週間で退院できると思ったのだが、麻痺はさらに進み、右足に力が入らなくなった。医師が「次は左だな」と言って立ち去った。何、その言い方!
ある日、点滴の針が曲がっていて点滴が入っていなかったことがわかった。夜勤の看護師にフリーランスが多いことに不安を感じて、転院を申し出るとソーシャルワーカーを通すように言われたが、その日は休みだった。
突然、脳梗塞になった夫を抱え、手探りで奮闘する妻の体験記。
(太田出版 1600円+税)