「ふしぎな鉄道路線」竹内正浩著

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 明治2年、新政府は東西両京(東京・京都)を結ぶ幹線と、各支線の鉄道建設を正式決定。当時は地形図すらなく、鉄道敷設案の策定は困難を極めた。

 費用や工期を抑えるためトンネルや橋梁工事を避けなければならず、当初、「両京幹線」は中山道沿いでの建設が予定されていたという。政府内には反対派も多く、幹線鉄道計画は遅々として進まなかったが、西南戦争の折に鉄道が軍事輸送で大きな役割を果たし、反対派の軍部の認識も変化。工事計画が具体化すると中山道線には建設工事が困難な難所が多いことが判明し、東海道経由に変更され、計画から20年後にようやく開通したという。

 全国の鉄道路線がなぜそこに敷設されたのか、地形や軍部による介入の歴史から解説した鉄道ファン必読本。 (NHK出版 950円+税)

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